しかし近年、γ周波数帯でバースト発火するチャタリングニューロン(Chattering
Neuron)が発見され、我々はそのニューロンを新しいタイプのカチオンチャンネルの導入によりモデル化しました。また、その研究過程で、バースト発火
のモード(一周期当たりのスパイク数)がある種の神経修飾物質によりコントロール可能であり、モードの変化に伴い同期・非同期のシャープな転移が見られる
ことを発見しました。この研究から、バースト発火の新たな存在意義、すなわち同期・非同期の切り替えに有用な発火様式であることが示されたと言えます。また、神経修飾物質により、バースト発火のモードはたとえ同じ入力がネットワークにある場合でも、同期状態を柔軟にコントロールでき、注意などのメカニズムとして好ましい特性を備えています。抑制性ニューロンのネットワークも考慮して、さらに現在研究を続けています。 |