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《研究に関して》 
現在、興味を持ち研究している主な内容を紹介しています。
CURRENT INTERESTS 現在の興味
理論神経科学動的素子ネットリズム現象非線形力学系
 現 在 の 興 味

(現在徐々に更新予定です)

―非線形・非平衡系の物理学からネットワークや生命・脳神経系の理論まで―

 比較的単純な素子が集団となり、単体からは予想もできない複雑な振る舞いや高度な機能を発現する協力現象は、流体や化学反応などの物理系だけでなく、脳神経系や社会現象まで普遍的に見られます。例えば、神経系ではニューロンという素子が多数集まり相互作用することで学習、記憶、意志決定といった高度な情報処理能力を獲得しています。より一般的な観点として、ネットワーク上にある動的な素子(ニューロン、都市、人など)は互いに絡み合い、 ネットワーク構造(シナプス結合、 交通網、友人関係など)を形成しています。その中では、ネットワーク構造と素子の動的振る舞いが同時に変化する、ネットワークの自己組織化現象が見られます。このような多数の要素の協力現象を解明するには、非線形力学および非平衡物理学の理論がしばしば有効です。特に大自由度の力学系を本質的な少数の自由度で記述することを可能にする縮約理論を用い、リズム現象・カオスなどを対象に研究を進めています。また、このような動的素子のネットワークの力学系を、実験データから推定し構築する試みも始めています。そこでは、ベイズ推定やマルコフ連鎖モンテカルロ法などの現代統計科学の理論を活用することで、複雑な非線形力学系を推定することが可能となってきています。具体的な個別のテーマは以下のリストとリンク先をご覧ください。

理論神経科学
 

 脳・神経系は進化の過程で生命が獲得した生存のための情報処理に特化した器官であると考えられる。その柔軟な情報処理能力の原理を知るために、理論モデルの研究を行っています。

『計算論的神経科学』と『神経回路網の数理』

動的素子のネットワークの理論
 

 脳神経系や社会的な繋がりのネットワークは、ダイナミックな素子が互いの結合構造を変化させながら発展する大自由度非線形力学系と見なせます。
一見、全く違った様相に見えるこれらのシステムの間には、共通する不変構造が隠れている場合があります。たとえば、スモールワールドやスケールフリーなどのネットワークの普遍的に見られる特徴的な構造は、そのようなダイナミクスの結果最終的に実現したものと考えることができます。適切な切り口で構成した数理モデルは、それを理解する有力な手段です。ここでは、やや抽象的なモデルですが、分野横断的に共通する不変な性質を調べ、変化するネットワーク構造とその上のダイナミクスの性質を明らかにしようとしています。

ー現在準備中ー

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リズム現象
 

 例えば壁に掛かった二つの振り子時計の振り子をよく観察すると、しばしば同じような振れ(同期)を行っているの見られます。これは、壁を通して互いに相互 作用(例えば機械的振動が伝る等)した結果同期したと理解できます。ここで重要なのは、壁は相互作用の媒体として重要であるが、その力学的詳細によらず、 一般的な相互作用であればこのような同期現象を引き起こすことが可能である点です。このことから、個別の力学系の細かな性質によらない一般論の存在が示唆され、事実その理論的枠組みは、生態系から神経生理、物理現象などでみられる同期現象に分野を超えて適用可能で、非線形現象の解明に強力な手段を提供します。

『非線形力学』

非線形力学系の実験からの統計的推定
 

 たとえば神経を基板上に培養し、発火活動を数ヶ月モニターすることで、神経ネットワークの成長過程をとらえることができます。そのネットワークを結合力学系として、実験から統計的推定を行い解析することが可能になっています。手法としては、ベイズ推定とモンテカルロ法などを用い、ネットワークの結合強度やニューロンの発火特性を推定します。得られた結果からダイナミクスの特性を解析することで、脳などの高度な機能がどのような原理で発現するのか、その秘密に迫ることができるのではと考えています。                
ー現在準備中ー 

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  • リズム活動と位相応答、青柳富誌生、シリーズ脳科学第1巻 脳の計算論(東大出版)、4章 リズム活動と位相応答、45-92 (2009).
  • 第2版 現代数理科学事典、青柳富誌生、丸善、5章 神経脳科学、5.1.1神経細胞と脳の情報表現、5.1.2神経細胞の数理モデル、青柳富誌生、300-305、および 5.2.1神経細胞集団と同期、308-311 (2009).
  • 脳の数理モデル 生命が獲得した情報処理のしくみ, 青柳富誌生、「数理工学のすすめ」(現代数学社), 81-85 (2004).
  • 脳の情報表現:ニューロン,ネットワークと数理モデルIV 13 章位相振動子モデルによる同期・非同期解析,青柳富誌生、2002・朝倉書店、120-127.
  • 脳の情報表現:ニューロン,ネットワークと数理モデルIV 11 章大脳皮質の錐体細胞とガンマ周波数帯のバースト発火-FRB ニューロンのモデル-姜英男, 青柳富誌生、深朋樹, 2002・朝倉書店, 146-155.
  • 脳科学大事典 朝倉書店(2000) 8.6 非対称結合と時系列 青柳富誌生
  • 別冊数理科学「脳科学の前線」-数理モデルを中心として- 振動子の神経回路(動的なニューロンのモデルへの第一歩)青柳富誌生、サイエンス社(1997年10月)133-140.
  • 精密工学会誌 非線型振動子系のダイナミクスとその機能 青柳富誌生、64巻10号(1998年10月)1435-1438.

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