第91回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内
日時:平成20年2月22日(金)16時45分から
場所:京都大学工学部総合校舎111講義室(吉田キャンパス)
講演者:
内山 聡生(広島大学 工学研究科)
講演題目:
振動子ニューラルネットワークモデルにおけるカオス遍歴
講演要旨:
90年代前半に津田らによって創始された ニューラルネットワークモデルにおけるカオス遍歴の研究は、 カオスと脳の情報処理ダイナミクスとの関連性を現象論に 捉えようとした研究として大きな注目をあつめたが、彼らのモデルには 物理分野で開発されたニューラルネットワークのための解析手法が 適用できないというという欠点があった。 これに対し、内山と藤坂は、Ginzburg-Landau写像を素子として 構成される振動子ニューラルネットワークモデルを提案し、このモデルの 統計神経力学による解析を試み、カオスの想起状態があることを予想した。 そして、巨視的には等価にみえる複数個のカオス的想起解が一斉に 不安定化する状況下で (カオス的想起解の間での)カオス遍歴が 発生することをはじめて理論的に考察した。