「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内

第76回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内

日時:平成18年7月18日(火)14:45−16:15

場所:京都大学工学部2号館107室(吉田キャンパス)

講演者:中村 勝弘 (大阪市立大学工学研究科教授)

講演題目: 空間相関をもつ強いランダム場での異常粒子拡散

講演要旨:

散逸項にくらべて弱いランダム場での粒子拡散はEinsteinのブラウン運動
以降、良く 研究されている(正常拡散、揺動散逸定理、定常状態での
マクスウエル=ボルツマン 分布)。ところで、最近、環境問題の高まり
の中で、空間相関を持つ強いランダム場での粒子 拡散に多大な関心が
集まっている。ここでは、空間一次元の場合にOrnstein-Uhlenbeck 過程を
一般化して、この問題を 厳密に解析し、異常拡散、定常状態での
非マクスウエル=ボルツマン分布を得たので 報告する。さらに、この
問題は量子力学の基礎的問題と深く関わっていることを指摘 する。
本講演は、最新の共同研究(: E.Arvedson, M. Wilkinson, B. Mehlig
and  K. Nakamura, PRL 96 (2006) 030601)に基づいている。

本セミナーは以下の集中講義に合わせて開催されるものです.

集中講義:複雑系力学特論II(京大 情報学研究科 複雑系科学専攻 開設科目)
          「量子カオスの現状と展望」
概要:
    量子カオスの現状および展望について講義する。
      1)エルゴード仮説とビリーアード問題
      2)量子カオスの現状
      3)エネルギー準位の非線形動力学
          3.1 ブラウン運動モデル
          3.2 一般化されたCalogero-Moser(gCM)系
      4)gCM系の統計力学
          4.1 凖位間隔分布
          4.2 曲率分布
      5)量子カオスの展望
          5.1 ワインバーグの 非線形量子力学
          5.2 非線形量子力学の各種の試み

担当者:中村 勝弘 (大阪市立大学工学研究科教授)

スケジュール: 

7月18日(火)
  10:30−12:00
  13:00−14:30
  14:45−16:15 研究者を対象に含む講演.講演題目等は冒頭に掲載. 

7月19日(水)
  10:30−12:00
  13:00−14:30
  14:45−16:15