第71回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内
日時:平成18年1月16日(月)14:45−16:15
場所:京都大学吉田キャンパス 電気西館 W301
講演者: 蔵本由紀 (北海道大学特任教授)
講演題目:
非局所振動場の奇妙さ
講演要旨:
結合振動子系は、相互作用半径の大小によってまったく異なる表情を見せます。 局所結合をもつ振動子系は、おもに振動反応拡散系を通じてこれまで詳しく研 究されてきました。それと対照的な大域結合系の研究もこれまで活発になされ、 そのさまざまな集団的挙動が論じられてきました。しかし、両者の中間、すな わち相互作用半径がその中に十分多数の振動子を含むほど大きいがシステムの 広がりに比べればはるかに小さいような状況も興味があり、これについては過 去の研究は多くありません。理論的には、大域結合系の場合と同様に平均場の 考えが適用できること、それにもかかわらず大域結合系では意味をもたない空 間パターンを論じることができるというのが非局所系の特色です。本講演では、 この事実を用いた理論から得られる非局所結合振動子系の変わった振る舞いに ついてお話します。
本セミナーは以下の集中講義に合わせて開催されるものです. 集中講義:複雑系力学特論II 「縮約理論とリズム現象」 概要: リズム現象は非線形現象の中でも最も魅力あるテーマの一つです。 この講義では、まず「非線形発展方程式の縮約」の基本的考え方を述べ、 特にリズム現象に関わりの深い位相縮約法について概説します。 次いで、振動子の集合体にこの方法を適用し、同期と非同期によって 織りなされる多彩な集団ダイナミクスを明かにしていきます。 この講義を通じて、非線形科学における数理的方法の威力を 実感していただけるでしょう。 担当者:蔵本由紀 北海道大学特任教授 スケジュール: 1月16日(月)2時限目(10:30−12:00) 3時限目(13:00−14:30) 4時限目(14:45−16:15) (研究者を対象に含む講演.講演題目等は以下に掲載) 京都大学吉田キャンパス 電気西館 W301 1月17日(火)3時限目(13:00−14:30) 4時限目(14:45−16:15) 5時限目(16:30−18:00) 京都大学吉田キャンパス 電気西館 W301 1月18日(水)2時限目(10:30−12:00) 京都大学吉田キャンパス 工学部総合校舎 213