「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内

第108回「非線形・統計力学とその周辺」セミナーのご案内

日時:平成22年2月19日(金)15時から

場所:京都大学工学部総合校舎1階111講義室(吉田キャンパス)

講演者: 下川 倫子 (摂南大学 工学部)

講演題目:
レイリーテーラー不安定性の中で見られる表面パターン

講演要旨:

軽い流体の上に重い流体の滴を静かに置き、
重い流体が垂直方向に沈みこむ過程の中で、
重い流体が軽い流体の表面にフラクタルパターンを描くことを発見した。
密度相関関数法とボックスカウント法によるフラクタル解析から、
表面のパターンを特徴づけるフラクタル次元は時間、密度に依存せず、
一定値1.88 ±0.06をとることが分かった。
また、軽い流体の深さhと実験容器として使う円筒の半径rを変化させ、
同様の実験を行った。
r>hのときはセルパターン、r<h のときはフラクタルパターンが観察される。
垂直方向の流れの観察から、
垂直方向の流れが表面パターンに大きく影響していることがわかった。
講演では、これらの実験結果から表面パターンの形成機構について議論したい。